「どんなふうにナレーターを選ぶ?」

ナレーション、と一口に言っても使われる場面はさまざまです。
TVから流れてくるナレーションも「バラエティー」「スポーツ」「ニュース番組」「ドキュメンタリー」「CM」、どれもカラーが違います。
放送媒体以外でも、会社案内や商品紹介動画など、堅いイメージのものから元気なテイストまでいろいろ。ガイダンス音声も、キュートな声での案内、落ち着いた調子、注意喚起を促す声など、一様ではありません。
*ナレーションのカテゴリーについてはまたあらためて。

 

ナレーションを依頼するときには「どういう雰囲気のものにしたいか」という軸決めが必要です。そしてそれにフィットする声や読み方のナレーターを選ぶ。しかしこれが難しいのですよね。

フリーナレーターの中には「柔らかいものからカッチリしたものまで、あらゆる分野・ご要望に対応できます!」と謳っている人もいます。しかし個人的には「それは真に受けないほうがいい」と思っています。

もちろんいろいろ器用にこなせるナレーターはいます。
ただ、大部分は「得意分野」で仕事をしています。大人数を抱えるナレーター事務所などは、その都度の依頼に合ったナレーターを候補に出します。持ち味を考慮して選出をしています。
TVで活躍する一流のナレーターであっても、ターゲットを決めて勝負しています。制作物をいきいきとさせる、どえらい能力を持った人でも、方向性というものがあるのです。なのに、その1/100も稼げていないナレーターがネット上で「なんでもこなせます」とアピールしているのを見かけると、あらら、と思ってしまうのです。(ごめんなさい)

「お任せください」というプロらしい姿勢はもちろん大切ですが、判断基準は、実際どんな読みをするのかということに尽きます。(個人的に苦手ということもあって、当サイトは過度な売り文句や、ナレーターの自己PR文などは載せていません。提携ナレーターには安易に万能アピールをしている人もいませんが…)

 

必ずボイスサンプルを聴いて、そのサンプルから離れない次元でのオーダーが望ましいです。
離れない次元というのは、例えば1分間に250字程度の速度で読んでいるサンプルを選んで「このナレーションの雰囲気のままで早く読んで」と、1分間350字にスピードアップした収録を希望されたとします。
果たして。サンプルとスピードが違いすぎると、同じ雰囲気にはならないのです。また、ナレーターの持ち味によっては、巻き巻きで読むのが不得手なこともあります。テンポ感は大きな要素です。ゆっくりした速度ではとてもわかりやすいナレーションだったのが、がくっと伝わる力が弱まる可能性もあるわけです。

 

実力以上のオーダーをこなすのは不可能。といったら身もふたもないのですが、ここを取りつくろってしまうと双方幸せになれません。
逆に、コレ!こういう感じのものを作りたい!と雰囲気通りのサンプルが見つかれば、ご希望と持ち味とがマッチングし、いいものが作れる要素が揃っていきます。

 

発注前の確認作業として、ボイスサンプルをしっかりチェックする、細かな要望や内容をお伝えいただくことが、求める結果につながっていくと考えています。
この声が気に入っているのだけど、こういうタイプのナレーションはできますか?と見本となる作品を提示いただいたこともありました。その際には、同ナレーターの近いボイスサンプルを探し出し、雰囲気を確認ののち依頼決定、実際の制作物もご満足いただけるものとなりました。発注時にひと手間かけていただいたおかげで、イメージ違いを防ぐことができたのです。

どんなナレーションが付くかで映像の印象は変わってきます。
ぜひ、イメージを明確にして、制作物に合うナレーター探しをなさってみてくださいね。

 

当サイトはまだまだ少数の集合体ですが、
もしピッタリくるボイスサンプル・気になる声がありましたら、まずはご連絡ください。
[オフィスあるこナレーション音声制作/ナレーションサンプル一覧]

はじめに

こんにちは。オフィスあるこ代表兼ナレーターの木場本和枝です。ここではナレーション屋としてのもろもろを綴っていきます。たとえば以下のような。

  • ナレーターを依頼しようと思っている方へのあれこれ
  • しごとの方法
  • 心構えのようなこと

[オフィスあるこナレーション音声制作] はどのように仕事をしているのか、はたまた他所を含めてナレーターを探すには何がポイントになるのかなど、自分の中ではあたりまえすぎて端折ってしまっている話を書いていこうと思います。

※「業務日誌」も更新が遅いっていうのに… 実はイラスト描きが腰が重い理由です(苦笑)

なんにしても、一歩一歩ですね。